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住宅ローン審査が通らない理由と、比較的資金を借りやすいローンについて詳しく解説します。
住宅ローンが通らない理由について、ここで紹介する理由は12番目を除いて「確実に住宅ローンに落ちる」というものではありません。住宅ローンはひとつの決定的な理由ではなく、いくつかの理由が組み合わさって通らないこともあります。では住宅ローンが通らない理由をひとつずつご紹介します。
金融機関によっては、現在消費者金融に借り入れがあるという理由だけで審査に通らないところもあります。一方消費者金融に借り入れしていること自体は特に問題にしない銀行もあります。ただし、現在借り入れをしていなくてもキャッシング枠の金額を返済負担率に計算する場合もありますので、注意が必要です。
消費者金融をはじめ、住宅ローンや自動車ローンなどの借り入れ、クレジットカード、携帯電話の分割払いなどの情報は、指定信用情報機関である「CIC」「JICC」「KSC」といった個人信用情報機関に全て記録されます。自分の信用情報を確認したい方は各情報機関のホームページなどから開示請求できます。自分の借り入れに不安がある方は一度確認してみてはいかがでしょうか。
基本的には、消費者金融からの借り入れは過去なら大丈夫です。ただし過去に借り入れしたことがあって何度か返済が遅れていた場合は、住宅ローンの審査を通るのは厳しくなります。
大体2ヶ月以上返済が遅れると「CIC」「JICC」「KSC」といった信用情報機関に金融事故として載ることになります。延滞情報は、延滞解消から1年または5年間記録されます。どうしても住宅ローンが通らない場合は、個人情報の保有機関が終わるまで待った方がよいかもしれません。
返済負担率とは「年収に占めるローン返済額の割合」のこと。金融機関は、この年収ならこれくらい貸してよいという数値を決めています。返済負担率ギリギリの借り入れ申込みでは審査が通らない可能性があります。
金融機関や年収によって異なりますが、大体25%〜40%で設定されていることが多いようです。あらかじめ返済負担率の目安を確認しておき、上限ギリギリではなく余裕を持った返済負担率にしておきましょう。
消費者金融では借り入れはないけれど、現在車のローンやクレジットカードのリボ払い、投資用マンションのローンなどの借り入れがある場合も注意が必要です。他のローンの借り入れ金額は返済負担率に算入されます。つまり、他に借り入れがあると住宅ローンに充てられる金額が少なくなるのです。
他のローンも含んだ借り入れ額が返済負担率ギリギリになっている場合、一括返済して返済負担率を下げるなどの対策が必要になります。その場合、高利子のものから優先的に完済することをおすすめします。
例えば契約社員や派遣社員、アルバイト・パートなど正社員ではない場合、審査が通るのはなかなか難しいようです。理由は雇用の不安定による収入の不安定。結果、返済が不安定になるリスクがあるからです。
正社員の場合でも勤続年数が短いと、やはり住宅ローン審査では不利になってしまいます。特に勤続1年未満だと審査は厳しくなりがち。健康保険証の加入年月日で入社日は簡単に確認できます。嘘の記載をしてもすぐバレるので止めておきましょう。
源泉徴収票に「歩合給」の記載がある場合、銀行は給与が変動すると判断します。その場合、源泉徴収票の直近3年分、もしくは毎月の給与明細の2年分などによって平均値を出して審査をします。
たまたま去年の歩合給がよくても、直近1年分の資料だけでは審査に落ちてしまう場合も。ずっと安定した歩合給があれば問題ないでしょう。
各金融機関では、それぞれ住宅ローン融資の条件として最低年収を設定しています。その金額は金融機関によって異なりますが、一般的には都市銀行は地方銀行より最低年収が高めに設定されています。自分の年収と金融機関の情報をしっかり確認しておきましょう。
経営者やフリーランスなどの自営業者や個人事業主では、住宅ローンの審査に通らない場合もあります。銀行が重視する点は契約者が安定して継続的に収入を得ていること。浮き沈みが激しい自営業者や個人事業主の場合は、なかなか難しいかもしれません。経営状態が3年以上黒字が続いている状態ならば、審査にも通るケースもあるようです。
住宅ローンの審査では借り入れする物件に関しても、様々な書類を提出する必要があります。個人の条件には問題がなくても、物件が銀行の融資条件を満たしていない場合も。
担保価値の審査とは、その物件が「融資内容に見合った価値があるか」を確認するための審査。万が一契約者が経済不能状態になったとしても担保物件は抵当権を持つ保証会社等に売却できるかを判断します。物件が「価値がない」と判断された場合は、ローン審査に通らないことがあります。
ローン審査での健康状態については、基本的に「団体信用生命保険に加入できるかどうか」が基準となります。団体信用生命保険とは、申請者が万が一死亡、もしくは高度障害状態になってしまったときに住宅ローンを返済するために入る保険のこと。住宅ローンの申請時には、ほぼすべての金融機関で加入が義務付けられています。
団体信用生命保に加入が難しい病気は、がんや高血圧、糖尿病、肝炎、精神系の病気など。その他にも病気の種類や程度によって加入できないケースがあります。
住宅ローンは何十年単位で返済していく必要があるので、年齢が上がるほど審査に通りにくくなります。今は年収が高くて安定していても、10年後、20年後ではどうでしょう。定年退職したり、年収が下がっている可能性も。申込要件で「71歳未満」「81歳未満」となっている金融機関もあります。申込要件の年齢は必ずチェックしておきましょう。
今までご紹介してきたものは必ずしも審査に落ちる理由ではありませんでしたが、ここで紹介する理由は必ず落ちると言っても過言ではありません。それは指定信用情報に「異動」の文字がある場合です。
「異動」というのはつまり「ブラックリスト」のこと。例えば支払いで遅延を繰り返している、過去5年以内に債務整理をしたなどの場合「異動」という文字で金融事故歴が登録されてしまいます。基本的に住宅ローン審査は通らないので、最長5年の「異動」情報の保有期間が終わるのを待ってから審査依頼するようにしましょう。
銀行ではなかなか住宅ローン審査が通りにくいという人でも比較的資金を借りやすいローンもあります。住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の「フラット35」です。ではなぜフラット35は審査に通りやすいのでしょうか。フラット35について詳しく解説します。
フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携している、長期固定金利の住宅ローンです。民間では全期間固定金利で住宅ローンを融資するのは難しいですが、そのリスクを公的機関が担っているのです。
フラット35は、取り扱いのある金融機関の窓口で年間を通じて申込みできます。融資金利や融資手数料、申込み時に必要な書類などは金融機関によって異なります。
フラット35と民間住宅ローンの審査基準は異なります。民間の審査では年収や勤務先、勤続年数など借り入れる人の人物評価にも重視しているのに対し、フラット35では物件の審査を重視します。融資条件さえきちんとクリアしていれば、人物評価はそれほど問われない傾向があります。そのため勤続年数が少ない人や中小企業の人、自営業の人でも審査に通る可能性も。
また銀行の住宅ローンと異なり、フラット35では団体信用生命保険への加入は自由です。健康上の理由があって団体信用生命保険に加入しなくても、融資基準が厳しくなることはありません。
【金利タイプ】
フラット35:固定金利のみ
民間:変動金利や固定期間選択型など(選択可能)
【保証料】
フラット35:なし
民間:なし〜借入額の約2%
【審査基準】
フラット35:年収基準・住宅基準を審査
民間:収入の安定度・年収・雇用形態なども審査
【団体信用生命保険】
フラット35:任意加入
民間:必須加入
【住宅技術審査】
フラット35:あり
民間:なし
【繰り上げ返済の手数料】
フラット35:無料(※繰り上げて返済できる額は100万円以上)
民間:無料〜数万円(1円から可能)